花 き
昼夜温度格差を活かした花き生産
地元には「球春到来(きゅうしゅんとうらい)」という言葉が定着しているように、1月後半から3月にかけて、宮崎は、プロ野球やプロサッカー選手のキャンプ地として利用されることが多く、ラグビー日本代表やプロゴルフプレーヤーにも宮崎の暖かい冬を活用いただいています。
このように冬も比較的温暖で多日照な気候や、中山間地域での昼夜の温暖差を生かして、「花き栽培」も盛んです。中でも「スイートピー」、「ラナンキュラス」、「洋ラン」は、全国でも有数の産地となっています。宮崎県総合農業試験場では、これまで花色等に優れ、生産者が栽培しやすい品種が多く開発され、国内外で高い評価を得ています。
スイートピー
国内最大の生産量
スイートピーは、宮崎でも暖かい南部沿岸部での栽培が盛んです。以前は柔らかい色調のスイートピーが主流でしたが、最近では交配が繰り替えされ、色が多様化し、色鮮やかで香りがいい「みやざきブランド」のスイートピーも人気です。現在は、花の品質に加え日持ち性にすぐれた品種の育成にも力が注がれ、北米、香港、台湾、シンガポールEU圏への輸出取り組みも行われています。
ラナンキュラス
幾重にも花びらが重なる美しさ
全国第2位の生産量、栽培面積日本一を誇る(2014年)宮崎のラナンキュラス栽培は、その特性から冷涼な北部山間部を中心に行われています。もともと菊の栽培が盛んだったこのエリアにおいて、近年、弔事向けの菊の需要が下降傾向になったことから、2000年頃に、同じ技術と気候で栽培しやすいラナンキュラス栽培が信州より導入されました。15年の歳月を経て宮崎での栽培が広まったラナンキュラスは、小規模農家間で技術を共有しながら少しずつ生産量を伸ばし、今では美しい花が多く生産されるようになりました。
花冠が大きく、そして、その大きな花冠をしっかり支えるまっすぐ伸びた茎になるように、「花かぎ」という茎の途中に出てくる花を手作業で一つ一つ摘み取る作業を何度も繰り返し、一本の球根から一輪の花が開くように「地道で丁寧な手作業」と「繊細な温度管理」によって栽培されています。
ラナンキュラスの花の色と花びらの形は多様で、約50種類あるとされ、その中でも宮崎オリジナルの品種は自慢の美しさです。
この花は、日持ちがよく、バラに変わる品種として海外への空輸も始まっており、北米や香港でたいへん人気となり、品薄状態が続いています。