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世界に誇るみやざきスギ

森を育て木と暮らす未来へ繋げる豊かな財産

スギ

飫肥杉が原点
生産量全国1位の「みやざきスギ」

かつての城下町 飫肥地区を擁する、宮崎県南部海岸沿いにある日南市には、地元の名産「飫肥杉」を運ぶために造られた全長1,450mの「堀川運河」があります。イギリスで名誉革命が起きた頃、日本は江戸中期の1686年から28カ月かけて人の手で作られた水深6mのこの運河は、当時からこの地域が「林業」が盛んだったことをうかがわせます。

飫肥杉を起源とする宮崎の杉は、現在も県内全域に植林されており素材生産量は、日本で生産されるスギの約15%のシェア(2015年)を占め、全国1位を誇っています。スギ以外を含む丸太木材の出荷量は年間178万7千㎥(2015年)で全国2位、丸太を加工した製材品は80万1千㎥(2015年)で全国3位であり、日本の木材生産においてはトップクラスにあります。FSC認証やSGEC認証といった国際認証を受けたエリア、加工場・木材も県内に複数あり、環境保全に取り組みながら品質の高い製品を送り出しています。

スギ

元気な森を残す-森林の役割-

たくさんの日光を浴びて育つ「みやざきスギ」は、油分を多く含み、虫がつきにくいのが特徴で主に建築資材として使われます。また、水を弾きやすく、軽量で弾力性に富み、加工しやすいことから生活素材にも適しています。木の温もりや優しい香り、安全性や耐久性の高さから学校やオフィスの内装材にも使われます。

木が育ち、収穫できるようになるには最低でもスギであれば35年、ヒノキは40年が必要です。先代、先々代が山に植えた木を手入れしながら長い年月をかけて市場に送り出します。そこで、木材を伐採した後は、次世代に向けて植林し、除伐・枝打ち・間伐など森林を育てる作業がとても大切になります。一方で、輸入材に圧され価格が下落した上に、林業の担い手減少・高齢化などによって手入れがままならず、良質な木材を育てられていないだけでなく、森林資源が循環するサイクルが維持できず、土砂流出のおそれなど山が荒れていくことが懸念されています。

生活に潤いと温もりを加える自然素材

森林が国土の6割を超えるのは、世界でも日本とスウェーデン、フィンランドの3か国だけです。資源に乏しい我が国において、森林資源は貴重な財産です。その中でも宮崎の木材は良質で加工しやすいと言われ、住宅建築などでは欠かせない素材です。また、木材は温かみのある素材として、安らぎと落ちつきを与えてくれます。こうした木材を生活の中にも取り入れてはいかがでしょうか。